分業
- 【カテゴリ】 組織と人 (2010.07.13 更新)
- 【読み】 ぶんぎょう
- 【英語表記】 division of labor
- 【同義語】 分担作業
概要
分業とは、1つの仕事を複数の人間で手分けをして行うこと。
説明
例えば本棚を10人で1万個作るとしますか。1人当たり1000個作ることになります。
そのときに、資材の調達からやって設計し、材料を切って組み立てて・・・といった具合に、1つの生産工程を1人ひとりがそれぞれ全部やったとしたら、結構大変です。
それよりも、資材の調達をする人、資材を加工する人、組み立てる人などと役割分担をしてまとめて1万個を作った方が効率的です。
こういった具合に、1つの生産工程を役割分担して行なうことを分業と言います。
分業のメリット
分業することで、作業が効率化し、生産性が上がります。これについて、もう少し詳しく見てみましょうか。
生産工程の全てを1人がやるよりも、各工程を専門的にやれば、その工程の担当者はその作業に習熟します。すると、品質が向上したり、作業のスピードもあがったりと、生産性が向上するわけです。これが、分業による大きなメリットの1つです。
また、複数の工程を時系列ごとに順にやっていくよりも、平行してやっていくことで結果的に生産に費やす時間を短縮できます。例えば・・・
Aを100個作る(1個1分/計100分) → Aを次の作業場へ運ぶ(20分) → Aを加工してBを100個作る(1個1分/計100分)
という作業の流れでは、Bが100個出来上がるまでに合計220分かかります。しかし、Aが100個できるのを待たずに出来たものから順に次の作業場へと運んでいけば、Aを作る工程とBを作る工程の時間が重なるため、Bが100個出来上がるまでの時間が短縮されます。
仮にAを次の作業場へ運ぶ時間が100個運ぶのも1個運ぶのも同じ時間(20分)だったとしましょうか。で、Aが20個できる度に次の作業場に運搬係を専門としている人が運ぶとします。すると、最後のA20個が次の作業場に運ばれてくるまでにトータルで120分、その間にBは80個まで出来上がってますから、残りのAを20個加工してBにするには20分だけ。つまり、分業すれば140分でBが100個完成するわけです。結果的に80分の時間短縮。
この様に、1つの仕事を分業することで、生産の効率がアップするわけです。
分業のデメリット
分業することで、デメリットも生まれます。
分業によって、各部署の関連性が失われがちになります。行動様式も部署で違ってくるでしょうし、考え方も変わってくるでしょう。そうなると、各部署の行動が全体から見てバラバラになりがちになります。
そうなると、それを統括して管理する必要が出てきます。
また、分業によって階層が出来ると、意思決定に時間がかかるようになります。現場と経営陣との距離が遠くなってしまいますからね。現場で起こっている問題を、経営陣はまるで知らなかった・・・なんて問題も出てきます。
分業の特徴を理論的にはじめて解説したのはアダム・スミス
分業の特徴を指摘し、その後の経済に大きな影響を与えたのは、有名なイギリスの経済学者
分業化と専門化
ちなみに、この分業の仕組みをより進めていくことを「
参考図書
- 国富論〈1〉 (アダム・スミス / 岩波文庫) 「国富論」(岩波文庫)は全4巻です。

価値システム
- 【カテゴリ】 経営戦略 (2008.02.26 更新)
- 【読み】 かちしすてむ
- 【英語表記】 value system
概要
- 価値システムとは、製品が
エンドユーザー に届くまでに各業者間で価値が生まれ連鎖していくという状況をシステムとして捉えたもの。 - 正直、手短に内容を話すのは困難なので、以下の説明に譲るとします。
説明
企業単体の事業活動を見ると、各業務が価値を生み出しながら、それらが連鎖することで1つの商品の価値が生まれていきます。(
それと同じように、製品が生産されて
製品は、「原材料の供給→製造→物流→販売」という流れをたどって、エンドユーザーにまで届きます。(原材料の供給側を「川上」と呼び、販売側を「川下」と呼びます)
で、この流れには以下のような連鎖が伴っています。
- 原材料の供給者は、「原材料」という価値を製造業者に提供します
- 製造業者は原材料を製品にしてさらに価値を付加します
- 物流業者は、販売業者のもとへ製品を運ぶことで、さらにその価値を付加します
- 販売業者は、その製品が消費者が購入したくなるように価値を付加します
- 最終的な価値を消費者が受け取ります
この様な価値の連鎖をシステムとして捉えたのが、価値システムの考え方です。製品はエンドユーザーに届くまでの間、売り手が供給する価値が買い手の価値に組み込まれるということが繰り返し行なわれています。
この様な考え方をすると、気づくことがあります。自社が生み出す価値は買い手の価値連鎖に組み込まれるわけですから、買い手にとって自社および自社製品の果たす役割が大きければ大きいほど、自社の競争優位は高まるわけです。
この様に価値システムを分析することで、自社の価値連鎖を適合させる必要があります。その結果、垂直的統合や水平的統合を選択することもあるわけです。
参考図書
- ポーター教授『競争の戦略』入門(グローバルタスクフォース/総合法令出版)
- 競争の戦略(M.E.ポーター/ダイヤモンド社)

- 競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか(マイケル・E・ポーター/ダイヤモンド社)

- MBA経営戦略(グロービス・マネジメント・インスティテュート/ダイヤモンド社)

バリューチェーン
- 【カテゴリ】 経営戦略 (2008.02.25 更新)
- 【読み】 ばりゅーちぇーん
- 【英語表記】 value chain
- 【同義語】 価値連鎖
概要
- バリューチェーン(価値連鎖)とは、事業活動の中の各業務がそれぞれ価値を付加していくという連鎖によって、最終的に製品の価値が生み出されるという考え方。
- 元々はハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授が著書「競争優位の戦略」の中で用いた言葉。
説明
まずは事業活動を、主活動と支援活動に分けてみましょう。
主活動とは、製品やサービスを顧客に提供することに直接的に関わる活動のことで、以下の様なものがあります。
- 購買物流
- 製造
- 出荷物流
- 販売・マーケティング
- サービス
支援活動とは、主活動には直接関与はしないけれど、それを実行する上で欠かせない活動のことです。具体的には、以下の様な感じ。
- 全般管理(
インフラストラクチュア ) - 人事・労務管理
- 技術開発
- 調達活動
事業活動は、これらの各活動が一連の流れの中で行われています。
で、各活動は、それぞれに価値を生み出します。
ということは、事業活動とは、各業務が価値を付加していくという連鎖によって営まれているということです。その結果として、最終的に
こういった考え方を、バリューチェーンと言い、日本語で言えば「価値連鎖」と、内容そのまんまのネーミングです。
一連の価値連鎖の中で、一部の活動だけが価値(低コスト化や差別化)を生み出していても、その有効性は高くありません。企業全体の活動が相互に価値を生み出すことが必要です。
また、全体的に価値を連鎖させることで、競合他社からの模倣を難しくします。一部の活動だけが模倣されても、自社と同様の価値なんて生まれませんから。
これら各活動のどこで価値(差別化や低コスト化)が生み出されるか、どの活動に強みや弱みがあるのかを分析することで、競争の優位性を確保していきます。
参考図書
- ポーター教授『競争の戦略』入門(グローバルタスクフォース/総合法令出版)
- 競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか(マイケル・E・ポーター/ダイヤモンド社)

- MBA経営戦略(グロービス・マネジメント・インスティテュート/ダイヤモンド社)








