自己実現

  • 【読み】 じこじつげん
  • 【英語表記】 self realization
  • 【関連語句】 人間性心理学

概要

自己実現とは、人間がそれぞれ自分の中に潜在的に持っている可能性を最大限に引き出し、実現化して生きようとすること。

説明

自己実現を最初に言い出したのが、ゲシュタルト心理学者のクルト・ゴールドシュタインで、それを概念化したのがカール・ロジャース、理論化したのがアブラハム・マズローです。

この自己実現には、「人間はそれぞれ自分の中に潜在的な可能性を持っていて、それぞれが目標を持って努力し、それを実現させようとするのが、本来の人間の姿である」という思想背景があります。

これを理論化した「マズローの5段階欲求説」は有名ですね。人間の欲求の最高位には「自己実現」があるというものです。

でも、この欲求説はその後の心理学者たちが様々な実験をしましたが信憑性が低いとの結果が出ている様です。人間とは本来的に自己実現を目指す存在ではないみたいですねぇ。

個人的には、自己実現を目指す生き方は否定しませんし大切なことだとは思いますが、それに踊らされてしまいがちな社会風潮がなんともいけ好かず、逆に自己実現を目指すということが、今の時代においては一種の息苦しさに繋がっている感も否めないんじゃないかと感じています。

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行動主義

  • 【読み】 行動主義
  • 【英語表記】 behaviorism
  • 【関連語句】 行動主義心理学

概要

行動主義とは、客観的に観察できる行動を研究対象とすること。心理学におけるアプローチの1つ。

説明

行動主義とは、心理学におけるアプローチの1つです。無意識、心、内観といったものは目に見えないので実証するのが難しいものです。なので、目に見えるもの、つまり客観的に観察できる「行動」だけを研究対象にするのが行動主義です。

1912年、心理学において当時主流だった内観を研究対象とした心理学(構成心理学)に対して、ジョン・ワトソンは、行動そのものを研究対象とする心理学を提唱しました。これが、行動主義の始まりです。

心理学なのに心を研究しないというのも何だか変な気分ですが、しかし行動主義に徹することで、色んなことがわかってくるんですねぇ。

例えば有名なのは、「パブロフの犬」。犬に餌を与える時にベルを鳴らす様にしていると、犬は餌がなくてもベルが鳴るだけで唾液を分泌する様になるという話ですね。これ、人間じゃなくて犬の話ですが、こういった条件反射は人間にも十分に応用できる学習理論です。

この様に行動そのものに着目することで、オペラント条件付けやらモデリングなど、様々な学習理論が発表されてきました。心的な概念を排除し、客観的に観察できる行動そのものを研究対象にすることで、人間というものが次第にわかってくるわけです。

ただ、だからといって行動主義で人間の全てが把握できるわけでもなく、その後、人間性心理学など別なアプローチからも心理学は研究されてくことになります。

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行動主義心理学

  • 【読み】 こうどうしゅぎ・しんりがく
  • 【英語表記】 behavioral psychology
  • 【関連語句】 行動主義

概要

行動主義心理学とは、客観的に観察できる行動を研究対象とする心理学のこと。

説明

行動主義心理学とは、行動主義のアプローチをとる心理学のことです。

目に見えない心を研究対象としても、実証するのは難しい・・・だから、無意識や内観など心に関するものは研究対象としない。逆に目に見えるもの、つまり客観的に観察できる行動を研究しよう(行動主義)!とするのが行動心理学です。

まあ、心理学なのに心を研究対象としないというのも変な話の様に感じますが、でも実際は行動を観察することによって色々と人間というものが理解できてきたりするんですねぇ。もう少し詳しいことは、「行動主義」の頁を参照してください。

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人間性心理学

概要

人間性心理学とは、「本来、人間は自己実現を目指すもの」などの人間観に基づき、人間性に主眼をおいた心理学の分野のこと。

説明

人間性心理学とは、1950年代、それまでに主流だった精神分析や行動主義心理学とは違い、人間性をテーマにした心理学のことです。

精神分析は主に病理を扱いましたが、人間性心理学では健康な人間心理の成長に着目しています。また行動主義心理学では人間を画一的に捉えましたが、人間性心理学では人間を個別な主体であると捉えます。

このため、精神分析を第一勢力、行動主義心理学を第二勢力とし、人間性心理学を第三勢力と位置づけています。

人間性心理学では、来談者中心療法ゲシュタルト療法エンカウンターグループなどの療法が用いられます。

人間性心理学においては、アブラハム・マズローカール・ロジャースが有名です。

アブラハム・マズローは、人間性心理学の父とも言われる人物で、彼の提唱した「マズローの5段階欲求説」(「マズローの欲求段階説」とも言う)は特に有名です。これによってマズローは、人間とは本来的に「自己実現」を目指す存在であるとしました。

カール・ロジャースは、来談者中心療法を始めるなど、現在のカウンセリングに大きな影響を与えた臨床心理学者です。彼もマズローと同じく人間を肯定的に捉える見方をし、人間は本来的に自己実現を目指す存在であるとしています。

この様に人間性心理学では、人間はそれぞれ独自な主体であると共に自己実現を目指す存在であるとし、人間の肯定的側面を強く意識しています。そして、こういった人間観をもとに人間性をテーマに研究を進めている心理学派です。

なお、この人間性心理学は後にトランスパーソナル心理学へと繋がっていき、またヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントニューエイジ思想、現代の自己啓発の思想に大きな影響を与えることになります。

参考書籍

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ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメント

  • 【読み】 ひゅーまん・ぽてんしゃる・むーぶめんと
  • 【英語表記】 Human Potential Movement
  • 【別表記】 人間性回復運動
  • 【関連語句】 ニューエイジ 自己啓発 人間性心理学

概要

ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントとは、1960年代のアメリカにおいて、実存主義や東洋思想の影響のもと、各心理療法を用いながら、人間の可能性を回復させようとする運動のこと。

説明

1960年代、アメリカのエサレン研究所を中心に、人間性を回復させようという運動が起こりました。これが、ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントと呼ばれるもので、日本語で直訳的に人間性回復運動と言われます。

ここで言う人間性とは、実存主義東洋思想、また当時の人間性心理学に影響を受けた考え方で、端的に言えば人間とは本来的に「自己実現」を目指す主体であるという意味です。この人間性を回復させようという運動が、ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントなわけです。

1950年代、それまでの精神分析(第一勢力)や行動主義心理学(第二勢力)とは対照的に、実存主義の影響のもとで、人間は自己実現を目指す存在であるとする人間性心理学(第三勢力)が台頭してきました。(アブラハム・マズローカール・ロジャースなどが有名)

その後、1960年代に、アメリカのエサレン研究所を中心に様々な心理療法や東洋思想などの交流が生まれました。そして、これらの運動によって、人間性を回復させようというのがヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントです。

ただし、ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントは、心理療法的要素が強く、思想+心理技法と考えた方が良いかもしれません。

この運動は後に、ニューエイジ思想の源流として繋がっていき、現在の自己啓発において大きな影響を与えています。

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単純接触効果

概要

単純接触効果とは、繰り返し接することで好感度が高まるという効果のこと。

説明

単純接触効果とは、あるモノや人に繰り返し接すると、それに対して人は好感を抱きやすくなるという効果のことです。

繰り返し同じモノを見たり聞いたりすると、それに対して好意を抱いたり親近感が増すなど、印象がよくなったりします。同じ音楽を何度も聞いているうちに、その音楽が好きになったりしますもんね。

こういった現象を、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスは実験によって明らかにしました。彼の名前をとってザイオンス効果とかザイオンスの熟知性の法則などとも呼ばれます。

この単純接触効果は、マーケティングにおいて、良く利用されています。

例えば、テレビCMなどの広告とか。繰り返しCMを目にすることで、なんとなくその商品や会社の好感度がアップします。その商品を買いやすくする効果があるんですね。

また、顧客先に営業目的以外(単にご挨拶やアフターケア目的)で訪問したり手紙を定期的にお送りしたり、ビジネス上で初めてお会いした方にその後メールや手紙をお送りするなど、接触回数を増やすことで自分に対する相手の印象を引き上げる手法が盛んに行なわれています。

なお、他の実験によると、不快を感じる相手との単純接触行為は、逆に好感度を下げることになるそうです。

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ゾーン

  • 【読み】 ぞーん
  • 【英語表記】 zone
  • 【同義語】 フロー 火事場の馬鹿力 ピークエクスペリエンス

概要

ゾーンとは、集中力が極限まで高められ最高のパフォーマンスが発揮される時の精神状態のことをいう。

説明

スポーツ選手が試合において最高のパフォーマンスを発揮する場合、その選手は適度な緊張とリラックスの状態にあり、集中力が最高まで高まった状態だそうです。で、ゾーンとは、その時の精神状態のことを言います。

「ゾーン」は「フロー」とも呼ばれスポーツ心理学等で深く研究されています。火事場の馬鹿力もゾーンの状態だと言われています。

ゾーンは、投資関連の分野でも良く知られています。ゾーンの状態になることで、投資リスクに対する恐怖を払拭し、適度な緊張とリラックス状態によって、最高の分析・判断ができるとされています。

確かにプロスペクト理論から考えると、人はリスクを負っている場面ではリスクをより多く追求し、利益が出ている場面ではリスクを回避して少ない利益でもその利益を確定させようとしてしまう傾向があります。そのため、不必要な恐怖に左右されず最高のパフォーマンスを発揮するためには、ゾーンと呼ばれる精神状態に近づく必要があるのかもしれません。

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フロー

  • 【読み】 ふろー
  • 【英語表記】 flow
  • 【同義語】 ゾーン 火事場の馬鹿力 ピークエクスペリエンス

概要

フローとは、最高の集中力により最高のパフォーマンスが発揮できる時の精神状態のことをいう。

説明

例えばスポーツ選手が試合において最高のパフォーマンスを発揮する場合は、適度な緊張とリラックスがあり、集中力が極限まで高められた状態にあるそうです。この様な精神状態のことを、「フロー」と呼んでいます。

フローの状態になると、周りの景色や物音が目や耳に入らなくなるとか、動くものがゆっくり見えたりするなどといわれています。

スポーツ心理学では、選手のメンタルがフローの状態に近づける様に、様々なメンタルトレーニングが研究されています。

なお、フローのことをゾーンと呼ぶことも多く、火事場の馬鹿力もフロー状態のことを示すと言われています。

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プロスペクト理論

  • 【読み】 ぷろすぺくと・りろん
  • 【英語表記】  Prospect theory
  • 【関連語句】 行動ファイナンス

概要

プロスペクト理論とは、 リスクを伴う場合に人間はどの様な意思決定をするのかを説明した理論のこと。人間は得をする場面ではリスクを回避しようとし、損をする場面ではリスクを大きく取ってしまう傾向があることを説明した。

説明

未来がどうなるかなんて誰にも分りません。ですから、何らかの意思決定を下せば、その結果が成功する可能性もあれば失敗する可能性もあるという状態になります。つまり意識決定にはリスクを伴うわけです。

で、そんなリスクを伴う選択肢がある場合、人はどの様な意思決定をするんでしょうか?

ここで面白い傾向が知られています。

人は、得をしている状態にいるときは、その得を「確保したい」「失いたくない」という心理が強く働きます。なので、もっと待てばもっと大きな利益が手に入る可能性よりも、小さな利益を確実に掴もうとするんですね。

逆に人は、損をしている状態にいるときは、その損失の確定を先送りしようとする傾向があります。「もう少し頑張れば損を取り戻せるかも」という心理が働き、損失がどんどん膨らんでも耐えようとします。つまり損をしている状態では、リスクを追求してしまうんですね。

結果として人は、上手くいってるときは小さな利益を手にし、上手くいかないときは大きな損失を手にしてしまう傾向にあるわけです。

株式投資やパチンコなんてのも、この傾向が顕著に現れます。

買った株の価格が上昇し利益が出ている時は、「下がったらもったいない。今のうちに利益にしておかなくちゃ」と言って早めに株を売却しますが、株価が下落して損失が出ている時は、「もう少し我慢すれば株価が元に戻るかもしれない。少しは上がるかもしれない」と言ってなかなか損切りが出来ず損失をどんどんと膨らましてしまいがちです。

結果として1回に手にする利益の額よりも1回で失う額の方が大きくなってしまうわけです。

不確実な状況下における意思決定に、この様な傾向があることを説明したのがプロスペクト理論です。1979年にトヴァスキーとカーネマンによって発表されました。

人って面白いものですねぇ。頭じゃ分っているつもりでいても、心理的なものに影響されて、合理的な判断や行動がなかなか出来ない生き物みたいです。

ちなみに、このプロスペクト理論で説明されたこの傾向は、行動ファイナンスの分野で深く研究されています。

参考図書

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認知的不協和

  • 【読み】 にんちてきふきょうわ
  • 【英語表記】 cognitive dissonance

概要

認知的不協和とは、認知したこととは矛盾する状況に遭遇すると不快感を感じ、それを解消しようとする心理状態のこと。

説明

人間の行動を考える上で、「人は常に合理的な判断に基づいて行動するわけじゃない」ということを表す代表的なものが、認知的不協和と呼ばれるものです。アメリカの社会心理学者レオン・フェスティンガーが、「認知的不協和理論」として提唱しました。

自分が既に得ている知識や経験、またそれに基づいた決定や行動に対して、それとは矛盾するような出来事に出くわした場合、人は不快感を感じます。そして、その不快感を解消するために、何らかのリアクションをとります。

例えば、車とかマンションとか、高額商品を買うとき。様々な情報を見比べながら検討しAにしようかBにしようかと考えます。そして悩んだ挙句、ようやく商品Aに決定したとしましょう。もちろんAを選んだのは、BよりもAの方が優れていると判断したからです。

ところがAを買った途端、Bが優れているという新たな情報を耳にしたとしたら・・・もちろんその人は、心理的に不快な状況になります。そしてその不快を解消するための行動をとるようになります。例えば、Bの欠点を探してみるとか、Aのより良い利点をさらに探してみるとか。また、Aの良さを声高に他人に伝えてみたり、逆にBに関する情報は出来るだけ避けてみたりするようになります。

この様になってしまう人間の心理的状態を認知的不協和と呼んでいます。人間の不合理的な行動を示す要因として、マーケティングや投資など経済面では、この認知的不協和は注目されています。

参考図書

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