先物取引

  • 【読み】 さきもの・とりひき
  • 【英語表記】 futures, futures trading
  • 【関連語句】 先渡取引

概要

先物取引とは、将来のある期日に先物取引所で規定された「あるモノ」を受け渡しすることを前提に取引すること。ここで言う「あるモノ」とは、現実のモノから発した空想上のモノであるため、期日が来たら現物を受け取るのではなく、買値と売値の差額を決済(差金決済)することで取引が完了するケースが多い。詳しくは以下の「説明」を参照のこと。

説明

この先物取引って、理解するにはちょっとややこしいんです。でも僕、頑張って説明する。

でもその前に、前置きしておくことが。それは先物取引のことではなく、先渡取引フォワード取引)について。この先渡取引とは、数量と値段を予め決めておいて、今ではなく将来のある期日に商品を取引するというやり方です。これについて話すと長くなるので、よく知らない人はまず、先渡取引のページを覗いて理解してください。

で、先物取引は、この先渡取引と同じ様に、将来のある期日に予め決めておいた数量と値段での取引を約束することです。ところが、この両者には大きな違いがあります。それは、先渡取引が、実際に存在する商品(現物)を期日がきたら取引するのに対し、先物取引では期日が来ても現物をきちんと受け渡ししなくても良い、ってことです。

「なんじゃ、そりゃあ!?」ってことになりそうですが、実際にそうなんです。ややこしいですよねぇ。それじゃ、これから気合を入れて説明します。

先物で取引されるモノとは?

先渡取引で売買されるモノには、特に規定がありません。「何の商品」を「どの位の数量」で、「いつ」「いくら」で「どうやって」取引するのかを、売り手と買い手の2者の間で勝手に(もちろん、法律の範囲内で)決めることが出来ます。

ところが、先物取引で扱われる商品は、「先物取引所」と呼ばれるところを介して取引されます。つまり、取引されるモノも、取引方法(期日や数量単位など)も、取引所で規定されているわけです。先物取引所において扱われている(上場)モノを単に「先物」と呼びます。

では、先物にはどんなものがあるんでしょうか?具体的に挙げると、こんな感じになります(以下は、便宜上勝手に分類したものです)。

 

これを見て、「おや?」と思った人がいるかもしれません。「指数とか金利とかも取引するの?実物がないのに、どうやって?」って感じで。確かに農作物や工業品なら現物があるのでわかりますが、指数とか金利って実体のないモノです。これを売買するって、ちょっと変な気がします。

でも、そこがミソです。実は先物とは、現物ではなく「架空のモノ」「空想上のモノ」なんです。いや、もちろん空想上のモノとは言っても、元ネタになるモノは存在します。トウモロコシだとかゴムだとか原油だとかね。ただ、これら元ネタになるモノがあるのにもかかわらず、「あったことにする」と勝手に架空のものに仕立て上げて、取引の対象にしてしまうんです。これが、先物です。

もう少し別な言い方をすれば、先物とは実際の「モノ」ではなく、「モノを取引するという契約」のことです。先物取引とは、例えば大豆そのものを取引にするんじゃなくて、「大豆を売買するという契約」を取引することなんです。「現物」を取引するんじゃなくて、「契約」を取引するわけですから、指数とか実際にはカタチとして存在しないモノまで取引出来るわけです。

でも、ここで疑問がわいてきます。「なぜ、そんなややこしいことするの?」なんて具合に。もちろん、わざわざ先物取引という仕組みを設けるんですから、そこには理由があるはずです。ちょっと、説明してみましょう。

取引の仕方

なぜこんな訳分からん仕組みを作ったのか?という理由を述べる前に、まずはどうやって先物が取引されるのか?ということを先にお話します。そっちの方が、後から先物の存在理由が良く分かると思うんで。

先も話したとおり、先物は先物取引所で取引されます。取引される対象、その期日、売買単位は取引所で決められています。

先物が実際に売買されるのは、先物取引所が開催する「先物市場」です。ここで売り手と買い手によって、値段が決められます。売り手が売りたいと思う最も安い値段と買い手が買いたいと思う最も高い値段が合致したところが、その瞬間の先物の価格になります。ですから、売り手と買い手それぞれの意欲によって、時間とともに頻繁に価格が変わります。高くても買いたいと思う人が多くなれば価格が高くなりますし、安くても売りたいという人が多くなれば下がります。

期日が来たらその契約、つまり先物として売買した契約が施行されます。でも、次がポイント。実は先物取引の場合、実際にその契約を施行する必要はないんです。つまり、現物を取引しなくても良い。

だって、先物取引って現物を取引じゃなくて「あるモノを取引する契約」を取引するんですから。実際に、現物を取引したくとも最初から現物の無い金利やら指数なんかも取引対象ですから、したくても出来ないモノもあるわけです。

じゃあ、その契約が施行されない場合はどうするか?その場合は、「お金」で解決します。つまり、先物を売った人はそれを買い戻し、先物を買った人は改めてそれを売りなおすんです。

これ、架空のモノを取引してるからできる技です。「売ったこと」にしておいたものは、「買ったこと」にすることでチャラにし、「買ったこと」にしておいたものは「売ったこと」にすることで売買を完結させてしまうんです。これが先物取引ってやつです。

もう少し具体的にお話しましょう。取引所ではこの取引を決済する月日が決められています。これを「限月(げんげつ)」と呼びます。また取引の単位数を「枚」と表現し、先物の種類によって1枚がどの位の数量か決められています。

では仮に、今から半年後の期日(それを「9月限」としましょう)の大豆10枚買ったとします。値段は1枚100万円だったので合計1,000万円かかりました。そして半年後・・・期日が到来し、買った大豆の先物を売り払うことでこの取引を決済します。

でも、売る時の価格は半年前に買った時の価格じゃありません。その決済する、つまり売り払う時に先物市場でついた価格で売り払うことになるんです。その日、仮に大豆10枚が1,100万円で売れたなら100万円の得、990万にしかならなかったら100万円の損です。

ちなみに買った先物は、その限月が来るまでの間、いつでも先物市場で売ることが出来ます。同じく売った先物もいつでも買い戻すことが出来ます。ですから、1ヵ月後1,050万円になったとして、その時に売ってしまえば50万円の儲けにすることも出来るわけです。

これらの取引は、計算上だけで行なわれます。100万円で買ったものを90万円で売る場合、その差額である10万円を売主が払い買主が受け取ります。逆に100万円で買ったものを110万円で売る場合、その差額である10万円は売主が受け取り買主が払うわけです。この様に、売値と買値の差額のやり取りだけで取引の決済が行なわれることを「差金決済」と呼びます。

リスクをヘッジする先物

さて、ここで先ほどの「なぜ、先物取引なんていうややこしい仕組みを作ったのか?」疑問に戻ります。実は、こんな複雑な取引形態には大きな活用法があるんです。それは、リスク・ヘッジ(危険回避)。

先物取引の大きな活用の1つとして、リスクをヘッジするということがあります。例えば、豆腐屋さんが原材料として大豆を購入するとします。今直ぐには必要ありませんが在庫がなくなる半年後に必要。なので「先渡取引」として、半年後に大豆1トンを1,000万円で購入する契約をしたとします。半年後にいきなり「大豆1トン下さい」と言っても直ぐに用意できるとは限りませんから、予め予約をしておくんですね。半年後、もちろん豆腐屋さんは1,000万円で大豆1トンを手に入れることになります。

ところが、当時は確かに1トン1,000万円は適正価格だったかもしれませんが、半年経ってみたら豊作のため、大豆の価格が随分安くなってるかもしれません。でも契約上、豆腐屋さんは大豆の価格がどんなに安くなっていても1,000万円支払わなくちゃなりません。

そこで、先物取引の登場です。先渡取引で大豆を「買った」豆腐屋さんは、先物市場で大豆という先物を「売り」ます。つまり、1,000万円で大豆を買った代わりに、先物市場では1,000万円で大豆を売ってしまえばよいわけです。すると、半年後にどうなるか?

仮に半年後、大豆の実勢価格が1トンあたり900万円になっていたとします。このままだったら100万円も損しちゃう!でも、ご安心ください。先物市場では1,000万円で売ってあった大豆があります。これを900万円で買い戻せば良いんです。先渡取引で100万円損した分、先物取引では100万円の儲けが出ます。つまり先渡取引で生じるかもしれないリスクを先物取引をすることで回避してくれるんです。もちろん先物取引は架空のモノを取引してるだけなので、期日が来たからといって大豆の現物を売る必要はありません。これが、リスク・ヘッジ、つまり先物取引の重要な活用法です。

先物取引の様に、一般的じゃない取引をデリバティブ(金融派生商品)と呼んでいます。これは複雑化し、グローバル化する経済に対応するためなんですね。ただ、最近は実用性から一人歩きしたデリバティブも増えてますが・・・

さて、先物取引にはまだまだ説明しなくちゃいけないことが沢山あります。証拠金レバレッジなどなど・・・ただ、物凄く長くなってしまうので、気が向いたときにでも書き足していくことにしようかと。とりあえずは、この辺で一端終了。

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フォワード取引

  • 【読み】 ふぉわーどとりひき
  • 【英語表記】 foward
  • 【同義語】 先渡取引

概要

フォワード取引とは、先渡取引のこと。将来のある期日に商品を受け渡しすることを決めて取引すること。

説明

詳しくは、先渡取引のページを参照してください。

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先渡取引

概要

先渡取引とは、将来のある期日に商品を受け渡しすることを決めて取引すること。

説明

例えば、「小麦」という商品を売買する場合、今の時点で売買するのではなく、「6ヵ月後の何日に1kgあたり幾らで取引しよう」といった具合に、将来のある日に売買することを今のうちに約束しておく取引のことを、先渡取引といいます。

しかし、「え?半年後に売り買いするなら、その時になってからすればいいじゃん!」って思う人がいるかもしれません。でも、良く考えてみてください。

小麦は半年後、豊作でメチャクチャ値段が安くなってるかもしれません。逆に災害の影響で収穫が少なくて値段が暴騰してるかもしれません。これじゃあ、将来の値段がその時その時で変わってしまいます。

おまけにこれが違う国同士の貿易取引だと、さらに厄介です。だって為替の変動というものがありますから。アメリカから日本へ1ドルの商品を輸入する場合、今は1ドル=100円だとしても、半年後に円高になれば90円で買えるかもしれませんし、逆に円安なら120円出さないと買えないかもしれません。元の価格が一緒でも、その時の為替レートによって、買える値段が変わってしまいます。

この様に、今と将来では同じ商品を取引するにしても事情が違ってきます。でも、将来のことなんて、誰にも分からない。しかし、買う人は出来るだけ安く買いたいし、売る人は出来るだけ高く売りたい。

ということで、「じゃあ、半年後の○日に、1kgあたり○○円で小麦を取引しよう!」とお互いが予め合意しておく必要が出てきます。こんな具合に、将来の一定の期日にその商品を受け渡しすることを決めて行なう取引を、先渡取引といいます。

先渡取引と似た取引に先物取引があります。両者の違いは、取引日に現物の受け渡しがあるかないかです。説明すると「なんじゃ、そりゃ!?」となりかねないので、興味のある人だけ先物取引のページでも覗いてください。

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サーキットブレーカー

  • 【読み】 さーきっとぶれーかー
  • 【英語表記】 circuit breakers

概要

説明

例えば先物取引などで売り注文が殺到して相場が混乱をきたしそうになると、証券取引所が一時取引を中断させたりします。この様な措置を、サーキットブレーカと言います。

一端取引を止めることで、相場が大きく変動した際の投資家心理を沈める効果があります。「まあ、慌てんな。ちょっと落ち着け」ってことですかね。

サーキットブレーカーは、あらかじめ定められたルールに基づいて行なわれます。例えば、東京証券取引所を例にとってみると、サーキットブレーカは

といったルールに基づいて行なわれます。

ここ最近で言えば、リーマン・ショック以来の金融不安によって相場が乱高下していますが、そんな中、大証の日経平均225先物はザラ場中にサーキットブレーカーが発動されることが何度かありました。NY市場の暴落を受けて売り注文が殺到したり、逆にNY市場の反騰を受けて買い注文が殺到したりした際に、サーキットブレーカーが発動されました。これにより、過度に先物価格が上下することを防いでいます。

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上場

  • 【読み】 じょうじょう
  • 【類似語】 株式公開

概要

説明

株式を例にとって説明します。

そもそも株は、市場では売っていません。発行する企業から直接買ったりするなど、ある程度その企業と関係がなければ手に入らないのが株でした。

そこで、そんな株を売買できるように制度化したのが株式市場です。証券取引所を介してその売買が行なわれるようになりました。

でも、株式市場で全ての株が売買できるわけではありません。一定の基準を満たさなければ、株式は株式市場で売買できないんです。

で、そんな基準を見事クリアし、株式市場で売買できるようになることを「上場」と呼ぶわけです。上場とは、株式市場や先物市場などの「場」に株などが「上がる」ということから、そう呼ばれているみたいです、確か。

上場のことを、株式が市場に公開されたと言う意味で、「株式公開」と呼んだりもします。

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CME

  • 【読み】 しぃーえむいー
  • 【正式名】 Chicago Mercantile Exchange
  • 【日本語表記】 シカゴ・マーカンタイル取引所 シカゴ商業取引所

概要

説明

CMEは、シカゴにある商品先物と金融先物の取引所で、金利や外国為替、株価指数、農業品などの先物と先物オプション市場が開かれている。その規模は世界最大。

金融先物の24時間電子取引ができるグローベックス市場も開設していて、S&P500指数先物や、NASDAQ100指数先物など取引されています。

日経平均先物も取引されていて、例えば株なんかをやってる人にとっては、このシカゴ日経平均先物の動向に注目します。だって時系列から言えば・・・

まず、日本の株式市場が午前9時より始まり、午後3時に日経平均指数が終値を告げると、その30分後に大阪証券取引所において日経平均先物取引が終了。その後、日本時間では夜中から朝方にかけてアメリカのシカゴでは日経平均先物の取引が行なわれる。そして日本では株式市場が午前9時より開始・・・

といった具合にサイクルしているわけです。そのため、その日の日経平均の動向を探るには、このCMEの日経平均先物の動向を見ることが大変参考になる、ってわけです。

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