経営者支配

概要

経営者支配とは、株式会社の所有者である株主から自立した経営者による会社経営のこと。

説明

詳しくは所有と経営の分離の頁に譲りますが、端的に言ってしまえば、会社の規模が大きくなるにつれ、所有者と経営者の分離が起きていきます。株主の複数化と高度の経営能力の必要性から、株式会社のオーナーである株主による支配から、徐々に実際の経営の権限は経営者へと移っていきます。

そして、会社の経営に関して経営者が株主から自立して運営が行なわれる様にまで所有と経営の分離が進んだ状態を「経営者支配」と呼ぶようになります。ちなみに、この様に経営者支配が進んでいく状況を「経営者革命と呼ぶことがあるようです。

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所有と経営の分離

概要

所有と経営の分離とは、株式会社の所有者である株主と経営者が同一ではなく別々であるということ。

説明

極端な言い方をすれば多くの場合、自分が起こした会社は自分のものです。社長=大株主なわけで、会社の経営者と所有者が同一人物です。

ところが、会社の規模が大きくなるにつれて、2つの点で変化が起こります。

まず1つ目は、所有者の数が増えてしまうということ。小さな会社のうちはオーナー社長自らの出資金で十分だったかもしれませんが、会社の規模が大きくなるにつれ、より多くの資金を調達してこなくちゃならなくなります。そのため、誰かに出資をしてもらうたびに、その会社の出資者、つまり所有者の数が増えていきます。

その場合、人数だけじゃなくて、元のオーナーの出資比率(持ち株比率)も低くなってしまいます。例えば設立当初はオーナーの持ち株比率が100%だったけれども、現在はオーナーが30%で、Aさんが20%、Bさんが15%、CさんとDさんが10%ずつ、その他多数で15%ってな具合に。つまり、株式の所有者が高度に分散してしまうわけです。各株主の持ち株比率が、その会社の所有比率になります。単純な「所有者=経営者」という構造ではなくなります。上の例では、自分の会社の所有率が100%だったオーナーも今では30%分しか所有権がありません。

そうなると、所有者1人1人がその株式会社の経営に対して持つ発言権やらの影響力は、相対的に低下していきます。オーナー社長は当初100%自分の意思で経営が出来ましたが、現在はAさんやBさんたちの意見も聞かなくちゃいけません。同じく、所有者の1人であるAさんの意見が100%経営に取り入れられるわけでもありません。この点でまず、所有者と経営者が物理的にも人格的にも分離していく様が見て取れます。

次に2つ目。会社の事業規模が大きくなっていくと、高度な経営能力が求められます。もちろん、時代背景などから設立当初の経営方針では経営が上手くいかなくなるケースも出てきます。そうなると、もともとのオーナー社長が経営するよりも、今の現実に適した経営能力を持つ人間に経営を任したほうが適切になってきます。所有者が必ずしも経営者である必要はないですから。そこで、所有者は能力の高い人間を選出し、経営を任せるようになり、結果として所有者と経営者は別々になるわけです。この点においても、所有者と経営者の分離が見てとれます。

この様に、株主が分散していくことで、所有者=経営者ではなくなり、所有者と経営者が分離化していくことを「所有と経営の分離」と呼んでいます。また、所有と経営の分離が高度に進んだ経営状況を「経営者支配」と呼び、経営者支配が進む状況を「経営者革命」と呼ぶことがあります。

ただ、企業経営が拡大化・高度化してけば、必ず所有と経営の分離が進むわけじゃありません。「物言う株主」に代表されるように、経営決定権を持たない株主でも経営に関して強く関与しようとする傾向もあり、この場合は所有と経営が接近していると言えます。

参考図書

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企業統治

  • 【読み】 きぎょうとうち
  • 【英語表記】 corporate governance
  • 【別表記】 コーポレートガバナンス

概要

企業統治とは、企業経営が適切に行なわれるための仕組みのこと。一般的には「コーポレートガバナンス」と呼ばれることが多い。

説明

詳しくは、コーポレートガバナンスのページを参照してください。

参考図書

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コーポレートガバナンス

  • 【読み】 こーぽれーとがばなんす
  • 【英語表記】 corporate governance
  • 【別表記】 企業統治

概要

コーポレートガバナンスとは、企業経営が適切に行なわれるための仕組みのこと。適切な事業活動の維持や会社の不正行為防止が目的。「企業統治」とも呼ばれる。

説明

そう言えば少し前、「株式会社は誰のものか?」みたいなことが取り沙汰されてました。意義や理念的なことはさておいて、制度的に言えば、株式会社の所有者は、その出資者である株主です。

例えば起業家が会社を設立する時、出資額の大半は自分が用意するってケースが大半です。つまりこの場合、大株主=経営者(俗に言う「オーナー社長」のこと)となるわけで、所有者と経営者が一緒です。

ところが会社の規模が大きくなるにつれ、2つの変化が生じます。

1つ目は、株主が増えること。会社の規模を大きくするには、多額の資金が必要になります。その際、オーナー1人の資金じゃまかないきれないことが。ですから、会社としては多くの人から出資を募る必要が出てきます。すると所有者、つまり株主の人数は増えていくことになり、その会社は創設者であるオーナー1人のものではなくなってしまいます。そうなると創設者の勝手に何もかも決められなくなり、株主同士の合議制でモノゴトが決められていくという性格が生まれてきます。

2つ目の変化とは、経営者に専門的な能力が求められるようになるということです。事業規模が大きくなるにつれ、所有者が経営を行なうよりも、より能力のある人がいれば、その人に経営手腕を振るってもらった方が経営は上手く様になります。こういった場合、株主である所有者が経営を他者に委任するようになります(これを「所有と経営の分離」と言います)。

所有者と経営者が分離すると、株主からすればその経営がきちんとなされているかが心配になります。きちんとチェックしないと。しかし所有者がその経営に関して詳しいとは限りません。そのため、株主は取締役を選出し、経営陣を任命したり辞めさせたりする権限を委任します。つまり、取締役は株主の代行者として経営のチェックを行なうわけです。

この様に会社経営には、どの様に経営が行なわれ、またチェックされているかの仕組みがあるわけで、これらのことをコーポレートガバナンス(企業統治)と読んでいます。

しかし、事業活動がどの様に行なわれるのか、その意思決定やチェック機能の仕組みって、会社によって、またお国柄によっても違います。

例えば日本の場合、本来経営がきちんと行なわれているかをチェックする取締役と経営者が重複しています。経営を実行する人と監視する人が同じであるため、その行為のチェック機能は上手く機能しません。しかし、その代わりに日本企業では監査役というものが置かれていて、これが企業経営のチェック機能を果たす仕組みとなっています。

しかしアメリカでは、日本よりも株主の利益が優先されるため、株主総会によって選出された取締役が、経営者に対する監視が強かったりします。

こういった状況は一長一短です。例えば株主の利益が優先されるアメリカの企業の様であれば、そのために短期的な業績が重要視されますが、従業員の利益を追求する志向が強く、相対的に株主の利益追求が低い場合、長期的な視野で経営が行われやすい環境におかれます。

しかし、従業員の利益を追求すると、出世した従業員が取締役となり経営陣となり、そのトップが代表取締役となります。となると取締役にとって会社の経営者である代表取締役は自分の上司であり、上司に対してモノが言いづらいのは当たり前で、経営の健全化という意味でのチェック機能が甘くなるのはこれまた当然です。

この様に、様々な利害関係者の間で成り立っている株式会社は、利害関係者間の優先順位をどう持っていくかによって、その経営形態は変わってくるわけです。これらの点を踏まえ、長所を伸ばしつつ短所をいかに克服していくかが、コーポレートガバナンスにおける課題となります。

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